自由が丘の住宅街に計画された9世帯の賃貸住宅。
賃貸住宅だからこそ、あえて地域社会・街並みに参加できないかと考え、ストレートに地域とつながりを持てる店舗併用住宅を設けた。また、住まい手の多様なライフスタイルに対応すべく、賃貸+自由設計という事業手法も構築した。開けっぴろげでも閉じこもるわけでもない、閉じつつ開き、繋がりつつ絶つ。宙に跳ね出す壁や地を這う壁がそんな見え隠れのシーンを作り出し、街並みと住まいのつかず離れずの関係の距離感を生んでいる。
 
コンクリートの仕上げは本実型枠と塗装合板型枠を使い分けることで、壁ごとの面の違いがはっきりとして、ひとつひとつの壁が折り目正しく端正な表情となる。そこに光と影が生まれ、建物の表情となっている。